POST LOGITECH INNOVATION AWARD 最優秀賞
Rapyuta Robotics株式会社
左から、日本郵便 代表取締役社長 横山邦男、Rapyuta Robotics 代表取締役CEO Gajan Mohanarajah氏、日本郵便 係長 水上義宣、サムライインキュベート 代表取締役 榊原健太郎
株式会社エー・スター・クォンタム
エー・スター・クオンタム 取締役兼CMO 大浦 清氏
POST LOGITECH INNOVATION AWARD 観客賞
株式会社オプティマインド
左から、日本郵便 代表取締役社長 横山邦男、オプティマインド代表取締役社長 松下 健氏、サムライインキュベート 代表取締役 榊原健太郎
Aquifi,Inc.
左から、日本郵便株式会社 主任 野邊 卓也、 Aquifi, Inc. Business Development Director Bin An氏
株式会社自律制御システム研究所
自律制御システム研究所 取締役 最高執行責任者 鷲谷 聡之氏
Yper株式会社
Yper 代表取締役 内山 智晴氏
Rapyuta Robotics 株式会社
取り組みの方向性 Rapyuta Robotics社の持つソフトウェア開発技術や独自のハードウェアに依存しないクラウドロボティクス・プラットフォーム「rapyuta.io」と連携し、物流拠点における荷物のベルトコンベアー等への取り降ろしや、積み込みの自動化等の検討を進めていきます。
株式会社エー・スター・クォンタム
取り組みの方向性 トラックドライバー不足が年々深刻化している中、エー・スター・クォンタム社が保有する量子コンピュータソフト開発技術や知見と連携し、当社における輸送ネットワークの最適化の実現に向けて検討を進めていきます。
※画像はイメージになります。
郵便・物流のバリューチェーン全体を
テクノロジーで変革する。
THEME 1
※「地域区分局」:地域の郵便局(集配局)から集めた郵便物の区分を行う郵便局で、ここで区分したものを、配達先の地域区分局に送る。
THEME 2
THEME 3
THEME 4
THEME 5
2018 AWARD
応募ベネフィット
郵便・物流ネットワーク(1日約3千万の郵便配達箇所、約14万台の車両、約18万本の郵便ポストなど)の一部を利用した実証実験や、同ネットワーク上での早期実用化を推進
サムライインキュベートから1社1,000万円の出資検討、日本郵便から出資検討及び実証実験費用の拠出検討、業界スペシャリストからのメンタリング
募集要項
スケジュール
2018年7月5日(木)
サイト公開・募集開始
2018年7月25日(水)、8月9日(木)
2018年10月上旬
採択企業決定、キックオフ
※共創検討開始
2019年2月上旬(予定)
Demo Day(成果発表会)
DEMO DAY ゲスト
代表パートナー
最高執行責任者(COO)
株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズ
今野 穣
2006年7月 グロービス・キャピタル・パートナーズ入社。
2012年7月 同社パートナー就任。
2013年1月 同社ジェネラルパートナーおよび最高執行責任者(COO)就任。
2018年7月 代表パートナーおよび最高執行責任者(COO)就任。
同社は、1996年より国内外から多数の機関投資家の資金(累計660億円)を運用する独立系ベンチャーキャピタルであり、世界トップクラスの運用実績を誇る。
同社以前は、経営コンサルティング会社にて、プロジェクトマネジャーを歴任。
主なトラックレコードは、ライフネット生命保険(7157)、ブイキューブ(3681)、みんなのウェディング(3685)、アカツキ(3932)、ビープラッツ(4381)、SAVAWAY(NHN Japanによる買収)、Quipper(リクルートによる買収)、キラメックス(ユナイテッドによる買収)、Vasily(スタートトゥデイによる買収)。
主な投資担当先は、スマートニュース、ビズリーチ、akippa、yappli、フラミンゴ、アグリメディア、Open8、クリーマ、リノベるなど。
東京大学法学部卒。
寺田倉庫 専務執行役員
MINIKURA担当
MINIKURAグループ リーダー
月森 正憲
1998年寺田倉庫に入社後約7年間、倉庫現場にて庫内オペレーションに従事する。
その後、営業を経て企画担当へ。2012年に、ユーザーが預けた荷物をWEB上で管理できるクラウド収納サービス「minikura」をリリース。2013年に、倉庫システムをAPI化し様々な企業と新規事業を共同で創出。また、倉庫、物流に悩むスタートアップ6社をこれまでに支援し、うち3社では社外取締役を務める。
LINE株式会社
Developer Relations Team マネージャー
プラットフォームエバンジェリスト
砂金 信一郎
LINEのスマートポータル戦略実現に向けて、ライフスタイル変革をもたらすAIやchat botなどのテクノロジーを広く当たり前のものとして普及させるために、開発者やクリエイターを巻き込んだエコシステムを作り上げる啓蒙活動全般を担当。東工大卒業後日本オラクル在籍時にERP導入プロジェクト多数と新規事業開発を、ローランド・ベルガーで戦略コンサルタントを、マザーズに上場したリアルコムで製品マーケティング責任者をそれぞれ経験。その後クラウド黎明期からマイクロソフトのエバンジェリストとしてMicrosoft Azureの技術啓蒙やスタートアップ支援を積極的に推進した後、現職。@shin135
埼玉大学大学院人文社会科学研究科
准教授
宇田川 元一
1977年東京都出まれ。
早稲田大学助手、長崎大学経済学部講師・准教授、西南学院大学商学部准教授を経て、2016年より現職。専門は組織論、経営戦略論。
イノベーティブな組織の構築について、ナラティヴ・アプローチの観点から研究を行っている。2008年度経営学史学会賞(論文部門奨励賞)受賞。東京・神田にある埼玉大学経済経営系大学院で社会人教育に携わる傍ら、Biz/Zineをはじめとする様々なメディアへの執筆、講演多数。(就任予定)
ヤフー株式会社
コーポレートエバンジェリスト
Yahoo!アカデミア学長
伊藤 羊一
日本興業銀行、プラス株式会社にて企業金融、企業再生支援、ロジスティクス、マーケティング、事業再編・再生、経営に従事。2015年4月ヤフー株式会社に転じ、企業内大学Yahoo!アカデミア学長として、次世代リーダー育成を行う。KDDI ∞ Labo、MUFG Fintechアクセラレーター、Code Republicほかのアクセラレータープログラムにてスタートアップのスキル育成を務める。グロービス経営大学院客員教授。
東芝インフラシステムズ株式会社
セキュリティ・自動化システム事業部
物流・郵便機器システム事業責任者
石橋 雄一郎
1987年、株式会社東芝に入社し、金融機器システム事業のSEに従事。2002年より、セキュリティシステムSE、ISMSコンサルタント、バイオメトリクス応用セキュリティシステム開発等に従事。
2008年、東芝インターナショナル米国社へ出向し、北米、及び中南米市場における郵便機器システム、現金処理システム、ICカードシステム等の事業開拓・営業・プロジェクトマネジメントを担当。2013年に帰国・復職し、郵便機器システムSE、物流・郵便機器システム営業部長を経て2016年より現職。
株式会社サムライインキュベート
創業者 代表取締役
共同経営パートナー
榊原 健太郎
1974年、名古屋生まれ。アクシブドットコム(現 VOYAGE GROUP)等を経て、2008年に創業期スタートアップの支援をする株式会社サムライインキュベート設立。2014年にイスラエルへ移住し、日本初のインキュベーターとしてブランチ開設。2018年にはアフリカ大陸での投資・インキュベーションを行う子会社を設立。「できるできないでなく、やるかやらないかで世界を変える」を理念に、現在国内外累計140社以上のスタートアップに支援し、約100社の社外取締役/アドバイザーを兼務する。また、そのノウハウを活かしてアクセラレーターをはじめとする大企業のオープンイノベーション等のイノベーション支援を行う。
内閣府
科学技術・イノベーション担当
企画官
石井 芳明
1987年、通商産業省(現経済産業省)入省。中小企業・ベンチャー企業政策、産業技術政策、地域振興政策等を担当。2012年から現職にて、起業環境の整備、ベンチャーの成長支援、オープンイノベーションの推進などの業務に従事。早稲田大学大学院商学研究科卒 博士(商学)。
取り組み内容と今後の展望
Rapyuta Robotics 株式会社は、ロボティクス・ソリューション開発を加速させるクラウドロボティクス・プラットフォーム「rapyuta.io」の提供を行う企業です。
今回の取り組み内容は、郵便局内において「カゴ台車から荷物を小包区分機の供給ラインに取り降ろす」作業をロボットアームにより自動化するものです。また、上記の工程に加え、その前工程である「トラックから取り降ろしたカゴ台車を各作業場所に運搬する」工程においても、rapyuta.ioプラットフォームを活用し無人搬送車(AGV)とロボットアームが協調するシステムの実用化に向けて実証実験を重ねてきました。ロボットアームを使用した荷物の取り降ろし工程では、一つの荷物を取り降ろすまでの時間を、12秒から8秒に短縮することができました。また、荷物を認識する物体認識ソフトウェアも、精度を向上させたことで、向きや大きさが様々なダンボールでも取り降ろせるようにしました。将来的には、人とロボットが協業することで増え続ける取扱荷物の増加に柔軟に対応することが可能となります。
今後は、2019年夏までに更に大きなロボットアームを導入し可搬重量を30kgまで引き上げ、作業時間も最短で5秒まで短縮すること、2019年度中には「トラックから取り降ろしたカゴ台車を各作業場所に運搬する」工程についても自動化することを目指します。
取り組み内容と今後の展望
株式会社エー・スター・クォンタムは、量子コンピューティングのソリューションを提供する会社です。さらに今回はD-Wave社と富士通株式会社の協力を得て、株式会社富士通研究所と連携し、テストを行ってきました。
トラックドライバー数が減少する中、エー・スター・クォンタム社が保有する量子コンピュータソフト開発技術を活かし、「車両数」、「コスト」、「積載率」などを中心とした輸送ネットワークの最適化の実現を目指してきました。今回のDemo Dayにおいては、特に「車両数」にフォーカス。実際に、約30の郵便局がある埼玉県東部エリアで実証実験を行いました。
この地域において、夕方・夜間帯に稼働している運送便では52台のトラックが各集配郵便局を回っており、現状で約3×1025の輸送ルートがあると判明しました。この中から一つの最適ルートを導き出すのに、従来のスーパーコンピュータを用いても計算に約1,000年かかると想定されますが、アニーリング技術を用いることによって、約1秒で最適ルートを導くことができます。導き出した最適ルートでシミュレーションを行い、「車両数」を52台から48台(約8%)に削減できるという結果が出ています。このほか、コストは約7%削減、積載率は約12%向上できると予測できました。
取り組み内容と今後の展望
株式会社オプティマインドは、AIを活用した配達ルートの最適化システムを提供しています。第1回「POST LOGITECH INNOVATION PROGRAM」の採択企業であり、昨年の最優秀賞を受賞しました。少子化による人員不足やEC市場の拡大、働き世代の再配達増加などの課題を解決するため、これまでアナログに行っていた配達ルートの作成を、AIを活用した独自の最適化システムを使用し、自動化することで、土地勘や経験に依らず、誰でも簡単に配達ルートの作成ができ、業務効率の向上を目指して実証実験を行ってきました。現在までに、全国8局の郵便局でシステムが導入されており、ある郵便局では、不慣れな配達担当者の業務時間を約60分短縮できたという報告があがっています。
オプティマインド社との連携により配達ルートの最適化システムを全国の郵便局に順次展開していくと共に、最新技術を活用し、配送計画の分野で物流業界全体の最適化に貢献します。
取り組み内容と今後の展望
Aquifi,Inc.は、アメリカ・カリフォルニアに拠点を置く企業で、あらゆる形状の物体の縦・横・高さの長さを瞬時に測定できる携帯型計測器「DISCOVERY」を開発しました。
現在郵便局では様々な形状の荷物のサイズを、テープメジャーを使って手作業で計測していますが、「DISCOVERY」は手作業では計測が難しい複雑な形状の荷物でも、瞬時にサイズを計測できることから、ゆうパックのサイズ計測への活用を検討してきました。携帯型であるため、郵便局だけでなく、集荷先やイベント会場等のゆうパック取扱所など、あらゆる場面での活用が期待できます。
日本郵便は、2018年11月から「DISCOVERY」の計測速度、精度等について検証を行ってきました。今後は、その実運用に向け、具体的な検討を行っていく予定です。
取り組み内容と今後の展望
株式会社自律制御システム研究所は、高性能・高品質のドローンを国産・自社で開発、販売するドローンメーカーです。自律飛行の研究を国内で行い、物流、空撮、測量、点検等、産業用として活躍するドローンの開発、販売を行っています。
労働人口の減少や取扱荷物の増加といった社会問題に対応するため、物流の自動化、省人化を目指している日本郵便とドローンを活用した配送業務に取り組んできました。2018年11月には、日本郵便が福島県南相馬市の小高郵便局と福島県双葉郡浪江町の浪江郵便局との間で開始したドローンを用いた荷物の配送に機体と技術を提供し、実用化に成功しています。この配送は、トラック配送で25分程度かかっていた約9キロの道のりを、およそ15分で飛行することができ、時間の短縮ができました。また、この飛行は2018年9月に国土交通省が改正した「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領」に基づく補助者なし目視外飛行として日本で初めての承認を受けて実施されました。
これらの成果は、自律制御システム研究所が有する離陸から着陸まで人が操作しなくてもいい自律飛行技術、雨天飛行や時速72kmの飛行速度を可能にする機体性能、GPS誤差をマーカー誘導により高精度に着陸する技術とノウハウによるものです。
今後は、LTE・5G等の最先端通信技術への対応や、衝突回避、機体高性能化など様々な課題に取り組み、ドローンを用いたお客さま宅への配達に向けた実験及び検討を進めていきます。
取り組み内容と今後の展望
Yper株式会社は、不在時でも宅配物を受け取れる“置き配”バッグ「OKIPPA」のサービスを展開しています。
「OKIPPA」とは、手のひらサイズ程に折り畳んで玄関につるし、不在時の配達場所として使用できる置き配バッグで、専用のアプリと連携させることで、バッグへの荷物の配達が完了した際に、アプリで配達完了通知を受け取ることも可能です。
2018年12月に東京都杉並区で、1,000世帯を対象に1ヶ月間の実証実験を行いました。全宅配業者の対象世帯への配達総数は約6,000回あり、そのうち約半数が配達時に不在という状況でしたが、「OKIPPA」を導入したことにより、不在時に荷物を配達することができたため、約61%の再配達を削減することに成功しました。
今後は、「OKIPPA」の活用によって、お客さまの荷物待ちや再配達のストレスを解消し、物流業界で深刻化する再配達問題に貢献することを目標に、日本郵便をはじめとした宅配業界や他業界とも連携し、2019年には累計100万個の設置を目指します。